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  第54話 『アリの足』

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 病気の恐ろしさを訴えるため、広島から大阪までの徒歩旅行に立ったポリオ患者の光男少年。
 見え隠れに少年について行き、ぶっきらぼうに物心の支援をするBJ。
 BJが少年を支えようとしたわけは?。という「いい話」度の大きな54話でした。

 関西在住の私が、例によって重箱の隅つつきでこだわるのは、最後のページの絵です。
 大阪に到着した少年がマスコミのインタビューを受けているシーンの背景画に注目しています。

 ビルの夜景の中に、3本の塔のようなものが立っているでしょう?。
 JR大阪駅近辺に、この塔はいまでも実際に立っています。
 塔と周辺のビルの、見かけも位置関係も、ほぼ実物とおりに正確に書かれています。
 だれかに取材させて写真かなにかを見て描かれたにちがいないと思います。

 私も、絵と同等に見えそうなアングルからデジカメ写真を撮ってきましたので見てください。

BJ54-1


 コミックスの絵にいちばん良く似て見えるアングルを探して撮ってみたのがこれです。
 本当はもう数メートル前方に出るとさらに良く似るのですが、そこは交通量の多い車道上になるのでダメでした。

 正面の背の高いビル「阪急グランドビル」と、右奥の観覧車は、BJ初出時期にはまだ存在していませんでした。


BJ51-4


コミックスの絵のように見える位置は、新阪急ビルから、阪急百貨店方向(北方向)を左の青色の矢印のように眺める位置となります。


BJ51-6


そばに寄ってみると、こんな感じ。
銀色の金属で装甲されたタワーです。
銀色といっても今は薄汚れて灰色に見えますが。
その正体は、


BJ51-5


地下街の通風用の「通風塔」でした。
「通風塔」という以外に、これといった名前はついていないと思います。 そっけないものでした。


 それにしても実にマイナーなランドマークを「大阪の風景」として選んだものです。
 大阪城でも、通天閣でも、食い倒れの人形でも、グリコの看板でもなく、観光ガイドにも載らない、地元の人気スポットでもなんでもないあの塔を。
 あれには、特にこれといった名前もありません。
 その正体は、大阪駅前地下に広大に広がる地下街の「通風塔」なのです。あ〜地味。

 でも、通風塔を選んだ理屈はうなづけます。
 広島から大阪まで幹線道路沿いに来たとすると、国道2号線を歩いたのでしょう。
 2号線をつたって、JR大阪駅をゴールとすると、その近辺にあるそれらしいランドマークは当時は「通風塔」しかありません。大阪城その他まで歩くには、光男少年の足ではさらにあと何時間もかかったことでしょう。
 たいへん現実に即して描かれた背景画だったんですね。

(00/06/10)


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