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  第61話 『針』

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 針を追跡する医療用レーダーや、血管内部からの描写や、血管系統マップ、時間との競争などなどの点で、私も皆さん同様にすぐさま、1966年の米映画「ミクロの決死圏」を連想しました。

 私はこれを小学校の「映画教室」で先生に引率されて観に行きました。
 当時最新の特撮がてんこもりで、科学やSFっぽいものなら何でも好き好きだった私には、大変面白かったです。男の子たちは、セクシー巨乳女優ラクエル・ウェルチがウェットスーツに着替えるシーンのお色気ちらりカットでやいやい騒いでいました(なつかしいなあ)。
 映画教室の後、「理科」の試験で、映画を題材にした人体に関する問題が出ました。
 そうか。先生は科学教育映画のつもりであれを見せたのか!。

 今回は、人体の神秘シリーズその2(その1は「時には真珠のように」ね)。
 はかりしれない人体のメカニズムによって、体内に入った針が、心臓も肺も傷つけずに元の場所から外に出てきたなんて!。肺を通過するには、肺胞を囲む、極めて細い毛細血管を通りぬけなければならないはずだから、BJでなくとも、そんな事あるわけない、としか思えませんが、そこはなにしろ人体の神秘です。

 ラストシーンで、BJは涙まで浮かべて悔しがっていますが、これがどうも私には収まりが悪いです。
 たしかに山田野先生は「人間のからだをあなどると、しっぺがえしをくらうぞ」とBJに警句を述べましたが、今回のBJもべつだん人体を侮るような事はしていない。
 彼としては、取りうる限り最善の手段を取って、針を回収しようと努力しています。
 ラストで、人体の驚異に「感嘆する」「呆然とする」ならわかるのですが、そんなに悔しがる・自責する? というのはもうひとつ分かりません。
 BJはどうしてそんなに強く反応したのか?。
 針を見失った後、まさかと思って「もともとの腕」は(たぶん)調べなかったことを悔やんでいるのでしょうか?。彼としては、ありえないケースも含めてすべてを予想できなかった自分自身が許せなかったのでしょうかねえ。

(00/08/13)

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