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  第97話 『幸運な男』

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 (先に投稿された、Kさんの非の打ち所の無い感想文を受けて)

 Kさんの、思い入れを込められた、完璧な書きこみを読んでしまった今、私には付け加える言葉がありません。Kさん、グレートっす、グレート!。

 付け加えがありませんので、繰り返しになりますが、私も「幸運な男」を支持します。
 ええ断固支持しますとも。
 これは傑作です。短編のお手本です。絶妙の構成です。私を魅了する「最後に明かされる衝撃の事実」型の傑出した一作です。
 BJエピソードのマイベスト1…かどうかは、えーと、まだ決めていません(なぜか急に腰砕け笑)。
 全部の感想文を書きながら確認を進め、慎重に検討して決めようと思っています。

 たしかに、ツッコもうと思えばいろいろあります。
 天童夫人の亭主は、すりかわりに気づかなかったのか。倒産後、亭主はどうしたのか。アルバムの写真によれば、天童一郎の姉か妹がいたようだが、それはどうしたのか。一郎は、日本語ができず漢字も読めないはずなのによく仕事をみつけられたな。昔の豪邸の隣に住もうというニセ夫人の感覚がわからない。倒産後、もうメリットもないからとっとと雲隠れすればよいのに、あてのない一郎の帰りを待っていたというニセ夫人の行動の不自然さ(なぜにわざわざバレる危険を犯す?)。ニセ夫人はどうやって食べていたのか?(質屋通いの売り食いだけでしのいでいた?働きもせずに?)。etc…。

 でもこれらは、ツッコもうと思って読みなおして分かること。
 初めて読んだときには、物語にひっぱられ、あれよあれよという間に、驚きと感動の結末へと導かれてしまいました。

 キャラクターデザインにもひとこと。
 ニセ夫人(=一郎の実母の顔)と、ニセ一郎の実母(アラビア人のオニ母)の対比が強烈です。
 オニ母は、まさにオニ。ブルドック。ほぼ男。幼児虐待の冷酷暴虐な怪物。
 ニセ夫人は、小柄。ネズミ(ハムスター?)。元はお金持ちの夫人で世間しらずのお嬢様の出。控えめな一昔前の日本の慈母。
 それらが、うまいぐあいにキャラクターデザインで表現されています。
 はう〜。どうしてこういう絵が描けてしまうんでしょう。ホント感心します。

(01/01/21)

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